(一)著述

 杉田玄白の著述について現在二三部をわれわれは知ることが出来る。そのうち明治初年までに木版で刊行されたものはわずか七部に過ぎず、未刊本で明治以後今日まで活版に翻刻1)されたものも四部を算するのみで、題名の明らかな著述の半数に満たない。二三部のうちに、青柳文蔵の「続諸家人物誌ぞくしょかじんぶつし」や穂亭主人すいていしゅじんの編に係る「西洋学家訳述書目せいようがくかやくじゅつしょもく」に記されている「天眞楼漫筆」と「天眞楼雑稿」は目下所在が不明で、前者はあるいは「和蘭事始」の異本かとも思われるし、後者は彼の日記「鷧斎日録」中に散見するような雑文を集めたものであったかとも想像される。ここには管見に入った2)二〇部の著述について、おおよその紹介を試みようとしたものである。簡に失したことを諒とされたい。

(注)

1)翻刻 和装本・軸物・古文書など毛筆による崩し字で書かれた原文を楷書体に置き換え読みやすくすること。

2)管見に入った 細い管を通して見たような狭い見識

杉田玄白の著述
はじめに
(一)著述
1 瘍科大成
2 広瘡総論
3 解体約図
4 解体新書
5 狂医之言
6 的里亜加纂稿
7 大西瘍科書
8 乱心廿四条
9 後見草
10 和蘭医事問答
11 養生七不可
12 鶴亀の夢
13 形影夜話
14 玉味噌
15 野叟独語
16 鷧斎日録
17 鷧斎遺稿
18 和蘭事始
19 耄耋独語
20 天真楼試功方
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