解体新書だけではない! 玄白の著述
はじめに
杉田玄白といえば「解体新書」、日本人ならば誰でも知っています。他に、「蘭学事始」は福沢諭吉が紹介した玄白の著書ですし、「養生七不可」は、知る人ぞ知る著作です。こればかりではなく、玄白は生涯で20あまりの著述を書き記しています。
玄白没後200年記念イベントの一環として、小浜市の御食国若狭おばま食文化館が、「現代版養生七不可」を公募したところ、1000件を超える応募がありました。また、当NPO法人は、「養生七不可指南書」を出版するなど、玄白の著述に啓発された活動が行われています。しかしながら、令和6年に開催した若狭歴史博物館の特別展「小浜藩医 杉田玄白の挑戦―『解体新書』出版250年」に訪れた何人かの方からは、杉田玄白が解体新書以外にも多くの本を著していることに驚いた、との話を伺いました。そこで、このホームページ上で、杉田玄白の著述を紹介することにしました。
日本医史学雑誌第8巻第3・4号杉田玄白140年忌記念特集号(昭和33年、1958年)、「杉田玄白史料解題」の中に著述の紹介欄が設けられており、玄白の著述を端的に紹介する文章が掲載されています。日本医史学会に、その記事の当NPO法人のホームページへの転載を依頼したところ、快諾していただきました。日本医史学会理事長、町 泉寿郎先生ならびに学会員の諸先生方に深く感謝申し上げます。原文は縦書きですが、ホームページでは横書きに変えました。また、原文には付せられていないルビを付けることを日本医史学会に打診したところ、許可をいただきました。さらに、転載にあたり、(注)を付加しました。送り仮名は原本どおりです。促音の「っ」は「つ」と表記されていましたが、ここでは「っ」と記しました。なお、ホームページ掲載にあたって加えたルビ、(注)などは、当NPO法人の文責によるものです。
掲載されている著述は次の20編です。
- 瘍科大成1)
- 広瘡総論2)
- 解体約図
- 解体新書
- 狂医之言
- 的里亜加纂稿
- 大西瘍科書
- 乱心廿四条
- 後見草
- 和蘭医事問答
- 養生七不可
- 鶴亀の夢
- 形影夜話
- 玉味噌
- 野叟独語3)
- 鷧斎日録4)
- 鷧斎遺稿
- 和蘭事始 附、蘭学事始
- 耄耋独語5)
- 天真楼試功方6)
(注)
1)瘍科 腫物などを治療する医学の一部門
2)広瘡 梅毒のこと
3)野叟 田舎のおやじ、村の老人
4)鷧斎 杉田玄白の号
5)耄耋 としより、おいぼれ 耄「ぼう・もう」70歳 耋「てつ」80歳
6)天眞楼は杉田玄白の医学・蘭学塾。 試功方は功績を評価する方法
以下は、日本医史学雑誌第8巻第3・4号杉田玄白140年忌記念特集号からの転載