テーマ:食

ミルクのある生活

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平田 昌弘帯広畜産大学 教授

 ミルクは、人々の生活を1万年支えてきました。西アジアで家畜が飼われ始め、すぐに家畜からミルクを搾り始めます(写真1)。ミルクという食料生産のあり方を考えてみてください。肉は家畜を屠ることで得られます。しかし、ミルクは家畜を生かしたままで生産が可能です。しかも、毎日得られます。ここに、人類は搾乳という技術を発明すること...

三刀流の“スーパーな”必須微量栄養素“亜鉛”を養生七不可の教えに活用する

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神戸 大朋京都大学大学院生命科学研究科

 杉田玄白先生の教えにちなんで小浜市が提唱している現代版養生七不可の一つに、「食べたもので自分ができているのを忘れるべからず」という心得があります。これは、健康長寿の秘訣である好き嫌いなく飲食することと直結します。すなわち、様々な食べ物を食べることによって、様々な栄養素をバランスよく摂取することが健康に生活するために重...

超高齢社会と認知症:生活習慣、特に「食」による認知症予防をめざして

テーマ:高齢

山田正仁国家公務員共済組合連合会 九段坂病院 内科(脳神経内科)副院長;東京医科歯科大学 特命教授;金沢大学 名誉教授

1. 超高齢化と認知症  杉田玄白先生は68歳の時に長寿の秘訣として「養生七不可」の教えを提唱したといわれています。玄白先生の時代、平均寿命は30歳台でしたが、玄白先生は当時としては稀な84歳の長寿を全うされました。2020年、平均寿命は女性が88歳、男性が82歳になり、さらに寿命は伸び続け、半数以上の子供が100歳以...

キイワードは次世代

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依藤 亨 (よりふじ とおる)大阪市立総合医療センター小児代謝・内分泌内科

 内分泌代謝学、特に新生児から若年成人までの医療を専門としています。増え続ける高齢者層に押されて、この年代層が占める割合はわが国では減少傾向にありますが、実は生物種としてのヒトには最も大事な時期です。出生して成長し、パートナーをみつけて次世代をはぐくみ、次世代がさらにその次の世代を生み出して生物種としてのヒトを維持して...

杉田玄白・前野良沢に見る自然と食

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川嶌眞人(かわしま まひと)社会医療法人玄真堂 川嶌整形外科病院 理事長

 小浜藩の杉田玄白と中津藩の前野良沢らが協力して蘭書『ターヘル・アナトミア』を翻訳し、『解体新書』として出版したことから日本の蘭学が始まったと言われている。その根底の思想の中に、彼らは解剖学に注目し「人間も自然の一部である」と言うことから出発したように思える。日本文化の独自性として自然とは何であったのか、前野良沢(図1...

みんなで小浜を健康寿命トップの町に

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家森幸男 (やもり ゆきお)武庫川女子大学教授

 コロナ禍の試練も3年目を迎え、まず自分が健康でなければ、他の人も健康にできない、健康づくりは皆が力を合わせる連帯作業だと学びました。この酷しい試練の先に明るい未来を拓く為に、今こそ小浜市をあげて健康長寿の町づくりをしましょう。  今から40年前の1982年、WHO(世界保健機関)は、初めて1日の食塩摂取の目標値を1日...

桜島大根で血管をしなやかに

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加治屋勝子国立大学法人 鹿児島大学 学術研究院 農水産獣医学域農学系 准教授

 鹿児島県の伝統野菜である桜島大根は、よく見かける大根のように細長い形ではなく、カブのような丸く膨らんだ形をしています。だいたい8~12kg程度のものが出回っていますが、2003年に世界一大きな大根としてギネス認定された桜島大根は、重さが31.1kgもありました。よく見かける大根が1本1kg程度ですから、だいたい30本...

医食同源の科学的証明
ー特にコーヒーや緑茶のポリフェノールについてー

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近藤(宇都)春美日本大学 生物資源科学部 くらしの生物学科 食と健康研究室 准教授

 光合成を行うほとんどの植物に含まれているポリフェノールは、カロテノイドやビタミンとともに主要な抗酸化物質として位置づけられ、動脈硬化やがんなどの病気の原因となる活性酸素を除去する抗酸化力を持っています。私たち人間は、これらの抗酸化物質を食事や飲み物を通して体内に取り込んでいます。中でもコーヒーと緑茶は日本人に馴染み深...

私たちの健康は私たちの手で

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秦 榮子愛媛県新居浜市食生活改善推進協議会 会長

 平成19年度(2007年)に御市に於いて栄えある第6回杉田玄白賞を拝受し、心より深く感謝と厚く厚く御礼を申し上げます。以来「総ての人々が元気で長生きできますように」と、行政のご指導を受けながら、妊産婦、子供会、PTA、一般の人々を対象に、健康づくりボランティア活動一筋に続けてまいりました。     昭和55年に男性料...

予防栄養学の成果を食育に活かす
“適塩”で“まごはやさしい”食育で、より良い食環境の構築へ

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森 真理東海大学健康学部 准教授、NPO法人 世界健康フロンティア研究会 理事、管理栄養士

 1996年、成人病が生活習慣病となり、「食習慣や運動習慣をより良くすることで、健康寿命を延伸することが可能である」ということが、多くの研究からわかってきました。そして、2005年に「食育基本法」が世界に先駆けて日本で施行され、全ての国民が積極的に食育を推進することになりました。  生活習慣病の予防は医学的な知見からの...

尿路結石を予防する「新・養生七不可」

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郡 健二郎名古屋市立大学 学長

 多くの患者さんが悩む「尿路結石」の予防法を「食」の視点からお話しします。  尿路結石とは、腎臓・尿管・膀胱にできた結石の総称です。主な症状はお腹や腰の激痛と血尿です。わが国では男性の7人に1人が発症する高頻度の病気です。皆さんの周りにも結石の患者さんがおられることでしょう。しかも、結石を放置すると腎不全に至ることがあ...

トランスレーション医学研究50年―動物実験と臨床応用に介在する死の峡谷の克服

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中尾 一和(なかお かずわ)京都大学名誉教授 京都大学医学研究科特任教授

 死の峡谷(Death Valley)とは、薬剤などの臨床応用を目指した開発研究において、動物実験などの基礎研究とその成果の臨床応用の間に存在する克服が極めて困難な種々の事象、例えば予期せぬ毒性や副作用、有効性における種差などのために、多くの開発研究が実用化に至らず中途で断念されることを「険しい山に囲まれて越えることが...

非正物不可苟食  日本型食生活の健康への役割

テーマ:

村田昌一(むらた まさかず)前 長崎大学水産学部教授

 近年、日本では高血圧、糖尿病、動脈硬化症、心臓疾患等の生活習慣病の患者さんが年々増加し、健康に老いることが難しい時代となってきました。この原因には穀類、豆類、野菜類、魚介藻類などのいろいろな食品の素材を使う日本型の食事組成(日本型食生活)から脂質、砂糖の含量が多く、畜肉類、乳製品主体の欧米人の食生活(欧米型食生活)へ...

テーマ
序文
運動
高齢
資料
「養生七不可」現代語訳
文献リスト
その他の資料・情報